理学療法士の土岐です。
今回はリハビリテーション科で実施している新人研修会についてお知らせします。
当院では毎年4月になると新入職員が雪崩のようにやってきます。
雪崩というと悪いことのようなイメージもありますが、凹凸があった地面を一度平にしてこれまでの行いを見返す機会にもなります。来年の新入職員にはどういったことを学んでもらえるとより患者様の役に立てるようになるだろうか。(これは我々の反省も含みます)教育係で前年度の下半期からディスカッションを重ねます。
新入職員はそれぞれの学校で国の定めたカリキュラム、国家試験に合格してやってくる立派な国家資格保有者達ですが、実習での経験、興味・関心の違い、個人の性格などそれぞれ少しずつ違いがあります。それらの経験を当院の患者様に活かせるよう、新入職員の持ち味を消しすぎないよう先輩達が調理、加工をしていきます。現場で先輩達を見て学ぶのが最も大事なのは大前提ですが、我々医療職は忙しない臨床の中で一度立ち止まって自分たちの考えを整理する、新しい知識も入れることも常に求められます。その機会のひとつとして経験の浅い1~2年目のスタッフ向けに行う新人研修会を設けています。
この研修は1回/月、当院の臨床場面でぶつかりやすいテーマ(安全な移乗・歩行介助、食事介助の方法、福祉用具の選定など)をピックアップし、臨床場面で役立つような知識、技術の補填をできるようにしています。また、病院で働いているとついつい医療者視点で物事を考えてしまいますが、患者体験や世の中での医療従事者の立場などもテーマに加え、広い視野を持つリハビリテーションスタッフが育つよう毎年内容を吟味しながら試行錯誤の運営をしています。
本研修を受けた後は、昨日の自分より患者様から信頼を多く頂ける、スタッフも少し患者様の役に立てている、そんな実感を持てるような研修を運営していきたいと考えながら、来年度の研修はどうするか頭を悩ませています。