暑いうえに湿度が高い。歩くたびに廊下がキュッといいます。
廊下の奥の方でふと、懐かしいにおいがしました。
僕の祖父は関東に住んでいて、小学校のころは毎年、お盆の時期は遊びに行くのが決まりになっていました。あちらの夏は湿度が高くじめじめとしていました。
お墓参りは夕方の涼しくなった頃をみはからって、提灯を下げて、家族みんなで行きました。年に1度の特別な散歩が僕は大好きでした。お寺にはたくさんの家族が集まってきて、各々線香をあげていました。線香に火をつける明かりがとても綺麗です。最後にお寺の本堂に賽銭をなげて、お参りをしました。
懐かしいにおいとは祖父の家のにおいでした。僕は、祖父の家とお盆のお墓参りのことを思い出して、なんとも切ない気分にひたってしまいました。
湿度と気温の組合せが、そのときのエピソードを思い出す要素なのかなと感じた一日でした。